Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

カテゴリー "本" の記事

京都カフェ散歩

“いちげんさん”にも常連客にも、コーヒー一杯分のおもてなし。
本書帯より


京都カフェ散歩 喫茶都市をめぐる 川口葉子

ウェブサイト東京カフェマニアを始め、
カフェに関するエッセイや記事を多数執筆している著者による京都のカフェ紹介書です。

京都には昭和初期から独自の喫茶文化が発展しました。
当時から営業を続けている老舗喫茶店を始め、
現代のカフェ文化を象徴するような店や
読書を楽しめるブックカフェ、
クラシック音楽のレコード鑑賞のできる名曲喫茶
町家や古い洋館を活用したカフェ、
日本茶を楽しめる喫茶室など
全部で67件の魅力的なカフェが紹介されています。

私はこれまで何度も京都へ行っていますが、
たいてい駆け足での旅行なので、ゆっくりお茶を飲む時間が取れない場合が多いのが残念です。

それでもこの本で紹介されているお店にはいくつか行きました。

普段コーヒーは砂糖抜きの私も、
イノダコーヒの「アラビアの真珠」のミルクと砂糖とブレンドされることによって生まれるまろやかさに魅了されています。
あのオリジナルの厚手のカップも口当たり柔らかで好きです。

ソワレには一度だけ行ったことがありますが、
独特のソワレブルーの照明はしばし現実を忘れるほど幻想的です。

築地のヨーロッパの古城のサロンを思わせる佇まいや
フランソア喫茶室の豪華客船のメインホールをモデルにした内装など
その場にいるだけで優雅な心地になれます。

今度行ってみたいと思うのはモダンな雰囲気の小さな隠れ家的なカフェです。
アンティークなカフェとはまた異なる魅力を感じます。

『京都カフェ散歩』は文庫本なので旅行に持ち歩くにも便利で
写真も美しいので眺めているだけでも楽しめます。
自宅でまったり過ごすときのお供としても最適の本です。

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パリにゃん【parinien】

おしゃれなパリのアパルトマンに住む
おしゃまな猫たち
(本書帯より)

パリにゃん【parinien】 酒巻洋子
表紙の子猫の愛らしさに一目ぼれして購入した本です。
パリ郊外在住の著者がパリで出会った猫たちを紹介しています。

PARTIE*1 猫好きが集まる パリ・猫区
PARTIE*2 アーティストたちの猫が住む パリ・お洒落区
PARTIE*3 ファミリアルな猫が住む パリ・家族区
PARTIE*4 散歩猫に出会える パリ・猫山

以上の4章に分かれて様々な猫たちが登場します。

表紙は可愛い子猫の写真が使われていますが、
本文に登場するのはほとんどが大人の猫で、
いわゆる「可愛い」猫ではありませんが
それぞれが表情豊かでとても味わい深い姿をしています。
猫の飼われている家庭は骨董商・八百屋・占い師など様々ですが、
どの家も猫にとって大変居心地のよい家庭のようで、
幸せそうな猫と人の姿が伝わってきます。

この本に納められたパリの家庭の様子―インテリアや雑貨など、
どれもとてもおしゃれで、そういったものに興味がある人にもお奨めの本だと思います。
甘さ控えめでセンスのよい猫写真集は、ゆったりとくつろぎたいときにぴったりの1冊です。

眠る女―Sleeping Beauty

lapis様のブログにて画集:「眠る女」を取り上げておられます。

今回の記事は2006年11月24日に以前のブログで公開した記事の再掲です。
基本的に当時のままUPしています。


眠る女 Sleeping Beauty 解説:山田登世子 1995 トレヴィル
 美しいものはすべて眠る。
 この世を、時の歩みを忘れ果てて。
本書帯より

以前トレヴィルから出版されていた「女」シリーズ(?)の三冊目です。

世紀末象徴主義・ラファエル前派の画家たちの描くさまざまな「眠る女」たちを
4章に分けて紹介しています。

Flaming June
表題となった『燃え上がる六月』をはじめとするレイトンの作品のほか、
アルバート・ムーア、アルマ=タデマ描くまどろむ古代の女たち
ホイッスラー、ティソ描く近代(当時においては「現代」)の娘、
ミレイ描く“お寝む”になってしまった幼女など(実に愛らしいです)
多様な「眠る女」の姿を見ることができます。
中でもクリムト『少女』の多くの女たちが一体になって眠る姿には
「輪廻」というか、「生命の循環」を感じます。

Sleeping Princess
バーン=ジョーンズの『いばら姫』を初めとして、
ウォルター・クレインの『眠り姫』やウォーターハウスの『聖カエキリア』など
物語に登場する「眠る女」たちの姿が紹介されています。

The Nightmare
フュスリ『夢魔』のほかデルヴィル、ムンクなどの情念に満ちた「眠る女」が紹介されいます。
これらの作品を見ていて
眠っているときに見る夢は甘美なものだけではなく、
時として恐ろしいものであることもあると感じました。
この章の冒頭はクリムト『ダナエ』なのですが、
この後に登場する悪夢の女たちを見ていると、
あの恍惚とした表情をしたダナエの歓びも儚いもののように思えます。

Hope
ウォッツ『希望』ブレイク『あわれみ』といった
これまでに見てきた「眠る女」とは異なった系統の女の姿を見ることができます。
悪夢の女たちの後で見る『希望』は
パンドラの箱を開いてしまった人間の最後の寄る辺のように思えます。
これら「眠る女」の姿は世紀末象徴主義者たちの
20世紀という新しい時代に対する「恐れ」の表れであったように思えます。
混沌の世紀末で未来への展望が開けない中
ある者は美しい夢を追い求め、永遠に眠り続ける女を描き、
またある者は己の内面を「悪夢」の形で表したのではないでしょうか。

世紀末を理解するための10冊

世紀末芸術 高階秀爾 著
私の「世紀末」に対する認識の基本となった著作。
世紀末芸術を「新たな文芸復興」「第二のルネサンス」と位置づけて、
世紀末芸術の起こった背景、世紀末芸術の特質、美学について述べている。

世紀末の夢―象徴派芸術 フィリップ・ジュリアン 著  杉本秀太郎 訳
美しい文体で綴られる世紀末のキマイラ(幻想)たち。
世紀末の美学を凝縮した一冊といえる。

魅惑の世紀末 海野弘 著
美術だけではなく世紀末の文学・音楽についても触れられている。
文章も読みやすく世紀末入門書としておすすめ。

宿命の女 ―イギリス・ロマン派文学の底流 松浦暢 著
世紀末の美学を語る上で不可欠な存在である「宿命の女」の
英国文学における系譜が述べられている。

水の女 From the Deep Waters 高宮利行 解説
世紀末象徴主義やラファエル前派の画家が描き出した美しき「水の女」たち。
彼女たちに触れることは生命の根源に触れることのように感じる。

ファム・ファタル 妖婦伝 イ・ミョンオク 著  樋口容子 訳
韓国人女性による「ファム・ファタル」論。
かなりエロティックな叙述もあるが、
ファム・ファタルの生み出された背景や彼女たちの魅力など読むものを惹きつける。

キーツ詩集
「宿命の女」の原点となった『つれなき美女』は必読。

サロメ オスカー・ワイルド 著  福田恒存 訳
月の光の下繰り広げられる物語には様々な倒錯した愛の形が描かれている。

さかしま J.K.ユイスマンス 著  澁澤龍彦 訳
小説というよりも「呪われた『美』の女神」モローのサロメに捧げられた祈祷書の趣。
「デガダンスの『聖書』」とはこの著書を最も端的に表した言葉といえよう。

世紀末芸術論―リルケ/ジンメル/ホフマンスタール  高木昌史 訳
「世紀末」を生きた詩人・思想家による世紀末芸術論。


この記事はホッテントリメーカー で作成したタイトルを基にしました。

猫の絵画館

猫の品格
浮世絵から近代絵画までアートになった愛くるしい猫たち

本書帯より

猫の絵画館  コロナブックス編集部 (編集)
江戸期から現代に至る日本絵画に登場する猫を紹介した本です。
まず表紙の猫(稲垣仲静:画)の悩ましげな視線と優美な姿態に魅了されます。
私はこの表紙を遠くから見かけた瞬間一目ぼれしてしまい、
即決でこの本を購入しました。
両前足をきちんとそろえ、しっぽを「くるん」と前足の上に乗せた
「エジプトの女神様ポーズ」は
猫を気高く見せてくれるポーズだと思います。

第1章 凝視する可憐な猫たち
竹内栖鳳、菱田春草、速水御舟などの名作を始め、
近代日本画の猫作品が紹介されています。

第2章 ナルシストの近代の猫たち
どちらかといえば知られざる画家たちの描いた魅力的な猫たちです。
近代日本画・洋画が築き上げた世界の豊かさに魅了されます。

第3章 江戸から明治時代の繊細な猫たち
南画・四条派などの画家の描く個性的な表情の猫たちです。
いずれも独特のポーズがユーモラスな味わいを醸し出しています。

第4章 愛くるしい錦絵の猫たち
江戸から明治初期にかけて描かれた錦絵です。
華やかな色彩で彩られた美人と戯れる猫は実に愛らしい姿をしています。

第5章 戯れつくユーモアたっぷりの猫たち
柳腰の浮世絵美女としなやかな猫は実に絵になります。

第6章 妖怪になった猫たち
愛らしいだけが日本の猫の姿ではありません。
恐ろしくも魅惑的な化け猫たちがここでは登場します。

第7章 擬人化された猫たち
歌川国芳描く擬人化された猫たちは可愛くて楽しい猫ばかりです。
見ているだけで幸せな気持ちになれます。

日本の画家たちの猫に向ける愛情を感じる一冊です。
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