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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2007年02月の記事

世紀末の夢・象徴派芸術

世紀末の夢・象徴派芸術  フィリップ・ジュリアン  杉本秀太郎 訳


モロー キマイラ


わが眼で美を見てしまった人は
死を運命づけられている
そのひとは地上のいかなる物のようにも役立ちそうにない
けれども死を前にしてその人はわななくだろう
わが目で美を見てしまった人は

アウグスト・グラーフ・フォン・プラーテン
『トリスタン』


上の文章は『世紀末の夢・象徴派芸術』の巻頭に掲げられているものです。
まさに世紀末象徴主義の美学を的確に表現したものだと思います。

この本と出会ったのは大学の史学科研究室の図書室でした。
当時はまだそれほど世紀末芸術には関心がなく
象徴主義に関する知識もほとんどなかったのですが、
読めば読むほど世紀末の幻想世界に引き込まれていきました。

この本では様々な世紀末の「キマイラ」の姿が紹介されています。
「キマイラ」とはギリシア神話に登場する
頭は獅子、胴は牡山羊、尻尾は蛇の怪物のことですが、
この非現実的な姿からフランス語ではこの怪物の名(フランス語でシメール)が
そのまま「空想」や「幻想」の意味で用いられます。
モローが描いたキマイラもこうした意味を踏まえたものとされます。

ケルトやゲルマンの神話や中世の騎士物語などに想を得た「伝説のキマイラ」
彼岸の霊的存在からまさに霊感を受けた「神秘なキマイラ」
「死」という世紀末の美学の根源の一つから生まれた「死を匂わせるキマイラ」
「死」と表裏一体の存在としての「愛」と「性」の具現である「エロティックなキマイラ」
そしてそうしたキマイラたちを捕まえようとする象徴主義者たちや
彼らの古代や中世、あるいは東方世界への憧れが
美しい文章で述べられています。

巻末には天使、白鳥、妖精、睡蓮、薔薇、百合などテーマ別の象徴主義文選がまとめられています。

私の青い心のなかに私は浸した 
死んでいるエッセンスの薔薇たちを

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世紀末の耽美・頽廃の美学が凝縮された一冊だと思います。


モロー キマイラ

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きのうさつきが(BlogPet)

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*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「さつき」が書きました。