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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2007年08月の記事

ふたりのサロメ

先日はティツィアーノ『サロメ』を見るために大分まで行ったといっても過言ではありません。
福山で偶然見たチラシで蠱惑的な表情を浮かべた彼女によって
私は大分まで導かれました。

実際の作品を見ると画面は決して明るくはないのですが、
これぞティツィアーノといった鮮やかな色彩と量感豊かな人体が
画面から迫ってくるようでした。

昨年のプラド美術館展で、もう一枚のティツィアーノの『サロメ』を見ています。



当時のトップモードを身に纏い、美しい金髪を流行の形に結い上げた
まさにルネサンスの貴婦人といった趣のサロメです。
どこか無邪気さすら感じさせるこちらのサロメは
魅力的な美女であるにもかかわらず
聖書の登場人物の一人に過ぎないように思えます。




一方今回の展示されていた初期に描かれたサロメからは
単なる聖書の一エピソードの登場人物というだけではない
どこか「妖婦」としての魅力(魔力?)を感じます。
モローによって確立され、ワイルドによって完成された
究極のFamme Fataleとしてのサロメの原点を見るような心地でした。
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