FC2ブログ

Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2008年02月の記事

勝利者としてのスフィンクス

「Famme Fatale」シリーズを更新したいのですが、
なかなか筆が進まないので、
本日はモローによるスフィンクス作品をご紹介します。


旅人オイディプス、あるいは、死の平等


白い翼を広げたスフィンクスは岩の上で次の犠牲者を物色しているようです。
スフィンクスは右前足で箱を抱えていますが、
モローはこれと同じような箱をパンドラに持たせた素描を描いています。
災厄をもたらす「宿命の女」としてのスフィンクスであることを示しているようです。
オイディプスは意気込んでスフィンクス退治にやってきた英雄というよりも
人生という旅路半ばで疲れ果て、
「死」という安息を求めてさまよっているように見えます。
この後スフィンクスのかける謎を解き明かし、勝者となるオイディプスも
やがては破滅と死を迎えることを暗示しているかのようです。


スフィンクス


こちらはオイディプスの物語から離れ、
勝ち誇るファム・ファタルとしてのスフィンクスです。
彼女は犠牲者たちの血と肉を滋養として、ますます美しく猛々しく輝いているようです。
この構図は殉教者たちの血を吸い上げて美しく咲く白百合の上に鎮座する聖母マリアを描いた『神秘の花』によく似ています。
一方は破滅をもたらすファム・ファタル、
一方は聖なる母、
この対極にあるふたりの「女」は表裏一体のものであるのかもしれません。
スポンサーサイト