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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2008年03月の記事

My Lady Greensleeves


ロセッティ マイ・レイディ・グリーンスリーヴス 1863

緑の袖の女はわが黄金の心
わがレイディ・グリーンスリーヴスこそ、その人だ


2002年に開催されたウィンスロップ・コレクション展の図録を見ていて
目に留まった作品です。

『グリーンスリーヴス』は英国の古いバラッドで、
この歌に登場するレイディ・グリーンスリーヴスは、
気まぐれな女心の代名詞として知られるようになり、
シェイクスピア『ウィンザーの陽気な女房たち』でも
奔放な恋歌として取り上げられています。
英国の古い楽曲に関心を持っていたロセッティは
二度にわたり『グリーンスリーヴス』を題材にした作品を制作していますが、
こちらは油彩で描かれたもので、より官能的な雰囲気の作品です。

彼女は私の兜に緑の袖を結んだ、
愛の甘美なる報酬のうるわしきしるしとして。
彼女は成功を祈るといいながら
私の首に彼女の温かいバンドを巻きつけた
彼女の口づけはわたしの唇の間に、今も離れないで、
心の情熱、まさかの時の力となっている
ロセッティ

中世の貴婦人は愛のしるしとして自分の衣服の袖を贈りました。
当時袖は衣服を着るたびにその都度縫い付けられていたため
簡単に取り外すことが出来たのです。
ロセッティ描く女性の肉感的な露わとなった腕は
騎士の兜を包み込む「袖」が意味するところを暗示しています。
彼女は自らの美しい肉体を持って騎士を縛ることとなるのです。

『グリーンスリーヴス』は日本でもよく知られた英国民謡です。
曲のイメージからはもっと素朴で牧歌的なものを連想していましたが、
実は官能的な愛の歌であったということを今回初めて知りました。
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