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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2008年03月の記事

フローラ vol.2―若草と西風


ウォーターハウス フローラとゼフュロス 1898


フローラの住まうのは西風ゼフュロスより贈られた花園です。
そこはそよ風がわたり、泉から溢れる水に満たされ、
この世の全ての花々が咲き誇る場所です。

フローラはギリシアの春のニンフ、クロリスが変容したものと考えられました。
「クロリス」とは「若草」を意味する名前です。
クロリスは花を愛するとても愛らしい乙女でした。
曙の女神と星の神の間に生まれた西風ゼフュロスは
クロリスの美しさに心を奪われ、彼女を攫ってしまいます。
ゼフュロスは妻としたクロリスに全ての花々を支配する力を与え、
美しい花園を贈りました。
こうしてニンフのクロリスは女神フローラとなったのです。



ブーグロー描く『フローラとゼフュロス』です。
ゼフュロスがフローラ(クロリス)を見初め、彼女を連れ去ろうとしている場面のようです。
彼女はまだ人の妻となる前の乙女らしい恥じらいを含んだ姿をしているように見えます。



ボッティチェリ『春』の一場面です。
おそらく最も有名なゼフュロスとクロリスを描いた場面だと思います。
ゼフュロスに捕まった瞬間クロリスは花々を生み出しています。

花をつける前の「若草」クロリスは
西風の愛によって大輪の花を咲かせる「フローラ」へ変貌するのです。
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