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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2008年04月の記事

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水の妖精の系譜


水の妖精の系譜 文学と絵画をめぐる異界の文化誌 松浦暢

ずいぶん前に買った本です。
本の内容もさることながら、まず表紙のウォーターハウス『人魚』に一目ぼれでした。

ユングによると
水の精は妖しい女性的な存在(アニマ)のより本能的な前段階であり、
これら水の精は若者たちを惑わし、その生命を吸い取ってしまう
とあります。

『水の妖精の系譜』では誘惑者セイレン、愛に殉じた蛇女レイミア、魔女キルケ、
そのほか愛らしい人魚や妖艶な人魚など
妖しく美しく、時に残酷な水の精たちを
文学と絵画を通して紹介しています。

古代・中世においては「異端と邪悪と情欲のシンボル」であった人魚が
時代が下るに連れて「純情で運命に流される被害者」とみなされるようになっていることに
著者は注目しています。

受身であり、どんな器にも収まり、全てを呑み込むという
「水」の持つ本質を表現した姿が「水の妖精」なのでしょう。

スペンサー、シェイクスピア、キーツ、テニスンなどの
美しい言葉と共に数々の絵画作品が紹介されていますが、
図版が全てモノクロでカラーページがないのが残念です。
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