日仏交流150周年記念 イタリア美術とナポレオン 愛媛県美術館
フランス領コルシカ島アジャクシオ市のフェッシュ美術館所蔵のイタリア美術及びナポレオン関連の絵画・彫刻・工芸約80点からなる展覧会です。
フェッシュ美術館の基幹をなすのは、
ナポレオン1世の母方の叔父ジョゼフ・フェッシュ枢機卿によるコレクションです。
展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 光と闇のドラマ―17世紀宗教画の世界ルカ・ジョルダーノ、マッティア・プレーティ、ベルニーニなど
17世紀バロックの宗教画(1点だけ歴史画有)によって構成されています。
ボッティチェリとベッリーニも便宜上ここに入れられています。
(ルネサンス期の作品はこの2点のみでした)
バロック絵画のイメージというと「華麗」という感じがしますが、
今回展示されていた作品の多くは色合い・画面はむしろ地味で、
光と闇のコントラストによる宗教的「激情」を強く感じさせる作品が多いと思いました。
第2章 日常の世界をみつめて―17世紀世俗画の世界17世紀に入ると肖像画をはじめ、風景画・風俗画・静物画などの
世俗的主題も数多く描かれるようになります。
ここで印象に残ったのは静物画ですが、
北方の静物画と比較するとどことなく絢爛な印象を受けました。
第3章 軽やかに流麗に―18世紀イタリア絵画の世界18世紀になると優美で雅やかなロココ様式が全盛となります。
ロココ絵画というとフランス絵画がまず思い浮かびますが、
肖像画や宮廷風俗、神話などを描くことの多いフランスと異なり
イタリアでは宗教画や景観画(ヴェドゥータ)が多く描かれました。
ロココ様式で描かれた優雅な聖人たちの姿は
どこか異教の神々を思わせます。
第4章 ナポレオンとボナパルト一族フランソワ・ジェラールによる『戴冠式のナポレオン1世』をはじめ
ナポレオンの母、妹、姪、甥など、ナポレオン一族関連の作品が展示されていました。
ミニアチュールによる肖像画やブロンズ小像、メダルなども展示されていました。
フェッシュ美術館所蔵のコルシカ風景画家19世紀後半から20世紀初頭のコルシカの風景を描いた作品が紹介されていました。
バルビゾン派から印象派、エコール・ド・パリに重なる時代の作品ですが、
地中海の島で育まれたこれらの作品からは
フランス本土で描かれた作品とはかなり異なる独特の空気が醸し出されています。
印象に残った作品の感想も述べようと思っていたのですが、
後日改めて記事にしようと思います。
最新コメント