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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2008年09月の記事

マリアナ―閉じ込められた女


ミレイ マリアナ 1850-51

先日のミレイ展出展作品の中で強く印象に残ったものの一つです。

全体に緑色で構成された空間にマリアナのドレスの青がアクセントとして
高い視覚効果をあげています。
ステンドグラスの美しさ、刺繍の様子や祭壇など
細かなところにまで気を配った描写など、
これまで画像で見て知っていた作品だったのですが、
実物を見てこれほど美しい作品だったのかと感慨を新たにしました。

「マリアナ」はシェイクスピアに基づいたテニスンの詩を題材にしたもので、
ミレイのほかにもロセッティやウォーターハウスも描いています。
手持ちの「テニスン詩集」所収の「マリアナ 濠をめぐらした屋敷のマリアナ」を
じっくりと読んでみたのですが、
彼女は「もうひとりのシャロットの女」であるという印象を受けました。
シャロットの女同様マリアナは「閉じ込められた女」ですが、
報われない愛に殉じ運命に逆らって死にいたるシャロットの女と
自らの運命を嘆き悲しむことしか出来ないマリアナは
全く対照的な存在と言えます。
そして19世紀においてはマリアナこそが多くの女性たちの姿を象徴するものだったのでしょう。

マリアナについては今後もっと詳しく取り上げてみたいと思っています。
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