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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2008年12月の記事

神秘なる天使


ブレイク 墓に埋葬されたキリストの上の天使たち 1808頃

18世紀以降宗教画は衰退し、
絵画表現における「天使」の役割も変化しました。
近代絵画に描かれた天使は宗教的存在というよりも
それぞれの画家の「こころ」を象徴する存在といえます。

ウィリアム・ブレイクは画家であると同時に詩人でもあり、
また幻視者としても知られています。
彼が古典文学から霊感を受けたり、自らの詩想を表現して描いた絵画は
非常に独創的なもので、生前はほとんど理解されませんでした。
上の作品では左右対称に位置する天使が死せるキリストを礼拝しています。
激しい線や色彩を使用したものの多いブレイクの作品の中では穏やかな印象ですが、
闇の中に浮かび上がる天使とキリストの姿は大変神秘的です。


モロー 夕べの声

黄昏の空を浮遊する3人の天使たちは非常に幻想的な雰囲気です。
東洋的な衣裳を纏った彼らはモロー自身の「魂の声」の象徴といえるでしょう。


フリードリヒ 大聖堂 1818頃

壮麗な大聖堂を背景に天使たちが輝く十字架を礼拝しています。
フリードリヒは自然の中に霊性を見出し
『山上の十字架』『教会の見える冬景色』などの作品を描いていますが、
このように天使(非現実的存在)が前面に出ている作品は稀です。
しかし「教会」「天使」といったキリスト教的なものが描かれていながらも
特定の宗教を超えた「神聖なるもの」を感じさせる作品だと思います。

大きく話題は変わりますが、
最近の私のお気に入りの音楽をご紹介します。
Gregorian―Only You
(動画サイトです。音楽が流れるのでご注意ください。)
こういった絵画作品を見ているとこういう歌声が響いてくるようです。

死を告げる者


カルロス・シュヴァーベ 墓掘り人の死 1895-1900

天使の役割の一つに「死を告げる」ことがあります。
聖母マリアのもとにも大天使ガブリエルが死のお告げのため訪問しています。
受胎告知の時には白い百合を手にマリアを訪ねましたが、
死の告知の際には蝋燭を手にしてやってきます。

シュヴァーベの作品は墓掘人の老人に訪れた「死」を描いています。
死の天使は美しい女性の姿で描かれています。
天使の右手には緑に光るものが描かれていますが、
これは死者の魂でしょうか?
長く鋭く伸びた翼は死神の持つ鎌を思わせます。


イヴリン・ド・モーガン 死の天使

鎌を手にした死の天使が描かれています。
背景に描かれた糸杉の木も死を象徴するものです。
鎌は本来ギリシアの農耕神クロノスの持物でしたが、
ギリシア語で「時」をクロノスということから
農耕神クロノスと「時」が同一視されるようになり、
「時」の擬人像(時の翁)も鎌を手にするようになりました。
時の翁の鎌は時間を刈り取るもので、現世の時間的むなしさを象徴します。
やがて死の天使ひいては死神も寿命を刈り取る鎌を持つ姿で表されることとなります。


ヴェダー 死の杯 1885

アメリカの象徴主義の画家ヴェダーによる作品です。
この主題はペルシアの詩人オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』に取材したものです。
天使は浅黒い肌に描かれ、東方趣味を醸し出しています。


オラース・ヴェルネ 死の天使 1851

黒い影のように若い娘に忍び寄る「死」を描いています。
一見恐ろしげな様子ですが、
娘が右手で天を指差していることと神を象徴する光が差し込んでいることから
若くして亡くなったこの娘は天国へ召されることがわかります。

死は万人に訪れるものであり、
ひとたび死の翼に触れれば二度と生の世界へ戻ることは叶いません。
「死の天使」たちは限りある「生」をよりよく生きるよう諭してくれているのかもしれません。

テンプレート再変更

昨日テンプレートを変えたばかりなのですが、
横長の画像を使用したページの表示が大きくずれてしまうこともあり、
別のテンプレートをお借りすることにしました。
Firefoxでも動作確認してみましたが、表示の崩れは無いようです。
デザインも気に入ったのでしばらくはこちらを使わせていただこうと思います。

テンプレート替えました(BlogPet)

千露の「テンプレート替えました」のまねしてかいてみるね

引越し以来ずっと同じテンプレート(自分でも動作確認をインストールしているOperaでも動作確認をクリックしました!!
本文が大きく表示の崩れは起きてご覧いただけたらと思います。
本文が大きく表示が、表示が崩れるようなので、以前からインストールしましたもの)を使っていた♪
新たにFirefoxをご利用の方にずれるようなので、今回新しくテンプレート(自分でも動作確認をクリックした♪
IE以外のですが、スクロールもしくは「最新記事」をしましたの崩れは起きていないの方にFirefoxをインストールしてご覧いただけたらと大きく下には起きているOperaでも動作確認をご利用の崩れは本当に申し訳ないようなので、表示の崩れは本当に申し訳ないようです。

*このエントリは、ブログペットの「さつき」が書きました。

テンプレート替えました

ブログ引越し以来ずっと同じテンプレート(自分でカスタマイズしたもの)を使っていたのですが、
IE以外のブラウザを使うと大きく表示が崩れるようなので、
今回新しくテンプレートをお借りしました。

新たにFirefoxをインストールして、
以前からインストールしているOperaでも動作確認をしてみました。
本文が大きく下にずれるようですが、
表示の崩れは起きていないようです。

IE以外のブラウザをご利用の方には本当に申し訳ないのですが、
スクロールもしくは「最新記事」をクリックしてご覧いただけたらと思います。

エア新書

lapis様のところでエア新書なるものを紹介しておられます。
面白そうなので早速私も作ってみました。



19世紀末汎ヨーロッパ的に起こった芸術思潮「象徴主義」の意味するものを
幻想世界を描き出した絵画作品を通して検証しています。
図版も数多く「世紀末芸術」の入門書として最適です。
・取り上げられている画家
モロー、ルドン、クリムト、ムンク、クノップフ、ロセッティ、ウォーターハウス他多数。


AirBook.jpで見るをクリックするとAmazon風のサイトに飛びます。
本当に存在する本のようですが、
創刊日は4月1日なのでエイプリルフールということで
この本は創刊されません(笑)

実はこの本のタイトルは私の卒業論文なのです。
(ただし多少変えています)
卒業論文作成中一番楽しかったのは図版の作成です。
現在であれば画像アーカイブサイト等を利用すれば
簡単に図版の作成が出来ますが、
当時はネット環境も未発達だったので
画集や図録の図版をを一枚一枚写真撮影しました。
(もちろんフィルムカメラでの撮影です)
私の取り上げた題材は図書館に置いてある美術全集に入っていないものが多いので、
自分の持っている画集などを使用しました。

大晦日は何します? (今日のテーマ)

BlogPet 今日のテーマ 大晦日は何します?
「年末のカウントダウンムードが近づいてきてますが、今年の大晦日は何をする予定ですか?」
仕事です。
大晦日は一年で一番忙しい日です。

中学・高校の頃は大晦日には近隣の寺めぐりをして
除夜の鐘をついていました。
寺によっては年越しそばやぜんざいなどを振舞うところもあって
とても楽しかったです。
当時は地元の商店街が「元旦初市」と称して
除夜の鐘とともに2時間だけ店を開けて、各種イベントを行っていました。
今はこの元旦初市も終了しています。


有翼の童子


ラファエロ サン・シストの聖母(部分) 1513頃

「天使」を描いた絵画として多くの人がまず連想する作品の一つです。
『サン・シストの聖母』という作品名を知らなくても、
この丸々とした幼児の姿の二人の天使の姿を知らない人は
少ないのではないかと思います。

伝統的に天使は彼らの持つ豊かな能力を象徴する意味をこめて
若さの盛り「青年」として表現されていましたが、
ルネサンス以降天使の「見た目」年齢は低年齢化していき
少年・少女の姿で描かれるようになります。
そしてプットの登場でますます天使の低年齢化が進みました。

プットはギリシア神話のエロス(クピド)から派生したものですが、
それがキリスト教美術にも取り入れられ、
天使として描かれるようになりました。
プット(putto)とはイタリア語で「幼児」を意味しますが、
美術においては神話画や宗教画に登場する有翼の童子をさす言葉として用いられます。


マンテーニャ ゲッセマネの祈り(部分) 1460頃

童形の天使が登場する早い作例です。
祈るイエスの前に現れた五人の天使はそれぞれ十字架など受難の象徴を手にしています。
子供の姿をしているにもかかわらず威厳ある天使たちです。


ロッソ・フィオレンティーノ 奏楽天使

フィオレンティーノはマニエリスムの画家で
後にフランスに招かれ、フォンテーヌブロー宮殿の装飾画などを制作しました。
リュートを弾く天使はただ愛らしいというよりも
どこかあだっぽさを感じる瞳をしています。


グイド・レーニ マグダラのマリア(部分)

バロック時代になると一層プットの登場する作品が多く描かれるようになります。
こちらのレーニのプットは童子らしい愛らしさとともに
天上の存在としての気品も兼ね備えていると思います。


ムリーリョ 無原罪の御宿り(部分)

ムリーリョの描く無原罪の御宿りのマリアの周囲には
常に多くのプットが付き従っています。
薔薇や百合などマリアの象徴を手にする愛らしい幼児たちは
マリアの無垢な美しさを一層ひきたてています。

このように盛んに描かれたプットですが、
崇高な宗教的場面に登場する本来神聖であるはずの天使が
赤ん坊のような姿で描かれることに
眉をひそめる神学者もあったといいます。
しかし、これらの愛らしい天使たちは
現代人がイメージする「天使」の原型の一つとなり、
後代に与えた影響は大きなものであるといえます。

憂い顔の美少年(BlogPet)

千露の「憂い顔の美少年」のまねしてかいてみるね

ボッティチェリの聖母の前になって舞う天使たちは翼を讃える王冠を輪に描かれた「天使」というのですが題名の初期の前に変わっていきますが描かれたの代表作『マニフィカトの(部分)年齢も硬質では他の横顔も大変美しいの子の聖歌隊といった趣を「これぞルネサンスの天使」といった趣を「マニフィカト(マリア)」です?

*このエントリは、ブログペットの「さつき」が書きました。

憂い顔の美少年


ボッティチェリ マニフィカトの聖母(部分) 1482


ボッティチェリの全盛期の作品に登場する天使には
危うい魅力を兼ね備えた「美少年」でありながら
人ではない超越的存在であるという
「これぞルネサンスの天使」といった趣を感じます。

ボッティチェリの初期の作品に登場する天使は
比較的低年齢の少年の姿で描かれており、
愛らしい姿をしてはいますが、
いわゆる「美少年」という雰囲気ではありません。


『歌う天使と聖母子』1483頃

聖母の純潔を象徴する百合を手にして聖歌を歌う天使たちです。
それまでボッティチェリの描く天使は翼を持っていましたが、
ここに描かれた天使たちは翼をつけていません。
天使の(見た目)年齢もそれまでより高くなり、
妙齢の少年たちの聖歌隊といった雰囲気になっています。


『マニフィカトの聖母』1482

天使が手にしている書物にマリアがペンで記しているのが
題名の由来となった「マニフィカト(マリア頌歌)」です。
マリアを讃える王冠を捧げ持つ天使たちの横顔も大変美しいのですが、
特に心惹かれるのはマリアの前に控える3人の天使です。
顔を寄せ合い眼差しを交わす姿にえもいわれぬ魅力を感じます。
この世のものとは思えないような美しい「少年」を
「天使」という形を借りて描き出したのではないかと思えます。


『柘榴の聖母』1487頃

両端の天使は聖母の象徴である白百合と赤い薔薇を持っています。
こちらも『歌う天使と聖母子』同様聖歌を歌う天使たちです。
互いに体を寄せ合って歌う姿というのは他の作品と共通するのですが、
天使たちの表情にはどこか憂いを感じます。

1490年代以降ボッティチェリの作風は神秘性を増し、
天使の姿も硬質で険しいものに変わっていきます。
晩年の代表作『神秘の降誕』で天上を輪になって舞う天使たちが描かれていますが、
その姿は神の子の降誕を寿ぐというイメージからは程遠いものとなっています。

『マニフィカトの聖母』に描かれた青春の息吹を感じさせる天使の姿は
フィレンツェ・ルネサンスの黄金時代の象徴のように思えます。