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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2008年12月の記事

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虹色と乳白色と


ヤン・ファン・エイク 受胎告知 1425-30頃

荘厳な聖堂の中を舞台にした受胎告知図です。
床に描かれているのは聖書の場面と黄道十二宮で、
マリアは乙女座の上に位置しています。
マリアが身に纏うシンプルな青い衣裳と
ガブリエルの豪奢な赤を基調とした衣裳の対比が鮮やかで
油彩によって表現可能となった色彩表現の豊かさが如何なく発揮されています。
そして天使の翼が美しい虹色に彩られているのが目をひきます。
15世紀において天使の翼はしばしば虹のような色合いで描かれましたが、
油彩を用いたファン・エイクの作品では
まさに極彩色と呼ぶにふさわしい鮮やかな色を発しています。
この虹色の翼は天使がこの世のものではない超越的存在であることを
目に見える形で表現したものといえるでしょう。


ヤン・ファン・エイク ゲント祭壇画(部分) 1432完成

『ゲント祭壇画』の扉部分に描かれた大天使ガブリエルです。
こちらは白の衣裳に地味な色の翼で、冠も簡素な意匠のものとなっています。
装飾は襟や袖口に施されているのみのシンプルな衣裳ですが、
生地はとても上質そうなものです。
フランドル地方は織物の産地として名を知られていましたが、
これらの天使やマリアの衣裳を見ていると、
15世紀フランドルの織物の素晴らしさが伝わってくるようです。

ファン・エイクの描く天使は実際触れて体温や量感を感じ取ることが出来そうです。
しかし神の使いとしての神秘性も併せ持つ荘厳な存在という印象を受けます。
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