FC2ブログ

Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2009年02月の記事

サロメの化粧~ビアズリー『サロメ』vol.9


わたくしの奴隷たちが、香料と七つの面紗とを持って来て、わたくしの靴を脱がせてくれるのを、待っているのでございます。
ワイルド『サロメ』より

サロメが舞踏をするために化粧をするという場面はワイルドの戯曲には登場せず、
『サロメの化粧』という主題はビアズリー独自のものといえます。

19世紀当時の流行のファッションに身を包んだサロメに
仮面をつけピエロの衣裳を着た化粧師が白粉をはたいています。
化粧台や部屋の様子なども大変モダンで、現代の美容院にも通じる雰囲気です。

化粧台の下には何冊かの本がありますが、それらは
『黄金の驢馬』(「プシュケとアモール」の物語も収録されている古代ローマの書物)
『マノン・レスコー』(18世紀フランスの小説で「ファム・ファタル」を描いた物語としては最初のものとされています)
『マルキ・ド・サド』、ゾラ『ナナ』などで
いずれも名だたる背徳小説とみなされていました。

この『サロメの化粧』は第2作で、第1作が検閲にひっかかった為制作されました。


道化姿の化粧師、モダンな化粧台などは第2作にも踏襲されています。
こちらでも化粧台の下に本が置かれており、
それらはボードレール『悪の華』ゾラ『大地』などです。
第2作に描かれた人物はサロメと化粧師だけですが、
第1作では三人の小姓が描かれています。
この『サロメの化粧』が検閲に引っかかったのは三人の小姓のうちの一人の行動によります。

続きを読む

スポンサーサイト