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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2009年03月の記事

Saint Sebastian vol.2


マンテーニャ 聖セバスティアヌス 1470頃

15世紀北イタリアの画家マンテーニャは生涯に3点のセバスティアヌス像を描きましたが、
こちらはその中でも最も早く描かれたものです。

マンテーニャは古代美術の研究を通して正確な人体表現と奥行きのある風景描写を達成しました。
この作品に見られる彫刻的なセバスティアヌスの姿にも、その特徴が良く表れています。

セバスティアヌスは大理石の柱に縛り付けられ、
幾多の矢に貫かれているにもかかわらず身じろぎすら出来ない苦悶のさなかにいます。
雲のなかの騎馬像は彼がもとローマの兵士であったことを示しています。
また柱頭のアカンサスの葉と幼子の頭部は蘇生を表し、
セバスティアヌスに救済が訪れることを暗示します。


こちらは後年にマンテーニャが描いた作品です。
人物像はより硬質なものとなっていますが、
痛みに耐える苦しみの姿は前作のほうがより強く感じます。

中世、病気はアポロンが放つ矢によって起こると考えられていたため
矢で射られたセバスティアヌスはペストから身を守る守護聖人として崇められました。
病に苦しむ人々にとってセバスティアヌスは
すべての苦しみを一手に引き受けてくれる存在だったのでしょう。

マンテーニャはルネサンスの画家ですが、
彼の描くセバスティアヌスは中世以来の伝統的な聖人像にのっとったものといえます。
しかしこの頃から「守護聖人」として以外の意味合いを持ったセバスティアヌスが描かれるようになります。

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