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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2009年07月の記事

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トーロップ『涅槃』


ヤン・トーロップ 涅槃 1895

1996年に開催された「世紀末ヨーロッパ 象徴派展」に出展されていた作品です。

トーロップは幼少期を過ごしたジャワの文化をはじめ
神智学やカトリック信仰といった様々な霊感源から
独自の神秘的な作風を生み出しました。
『涅槃』ではトーロップ特有の曲線はあまり目立たず、
むしろ上へ伸びる垂直な構図が特徴となっています。
半眼で瞑想する人物は乳房のふくらみがあることから女性と分かりますが
どこか性別を超越した存在に見えます。
かすかに微笑むようなその表情も
慈愛に満ちたように見えると同時にすべてを突き放したようにも見え、
彼女が俗世のしがらみから解放された存在であることを示すかのようです。

「涅槃(ニルヴァーナ)」とは仏教用語で
「すべての煩悩を解脱した不生不滅の悟りの境地」を意味します。
19世紀末、ヨーロッパの芸術家の中には仏教思想の影響を受けた者が多く存在しました。
リルケは仏陀を題材にした詩を書き、
ルドンは美しい色彩で仏陀の姿を描きました。
そしてセガンティーニは「悪しき母」を「雪と氷のニルヴァーナ」の中に描き出しています。
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