Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2014年02月の記事

如月月記2014



上の写真は本日撮影した寒桜です。
早いもので2月ももう終わりを迎え、春の訪れが近づいています。

梅の香りは清冽という言葉が似合う香りですが、
桜の香りは優艶という言葉がふさわしく思えます。

東京へ行ってから1か月近くたちますが、
まだブログには半分も感想をあげていません。
記憶が薄れないうちにとは思うのですが、
気力体力と相談しながらになりそうです。
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クリーブランド美術館展

クリーブランド美術館展 名画でたどる日本の美 1月15日~2月23日 東京国立博物館 平成館

この展覧会はクリーブランド美術館において2013年6月新たに日本ギャラリーが開設されたことを記念して開催されたものです。

神・人・仏
仏画や肖像画など日本画における人体表現の変遷を追った展示となっています。

《二河白道図》鎌倉時代
極楽往生への過程を描いた図です。
幅15cmほどの白く細い道の左下方は炎の川、右下方は水の渦巻く川で、
ほんの少しでもそれてしまえば極楽往生はかなわなくなってしまいます。
人の心の危うさをこの図は的確に表していると思います。

《福富草紙絵巻》鎌倉時代
ユーモラスで動きのある表現が見ていて楽しくなりました。

《霊昭女図》春屋宗園 賛 室町時代
清貧の生活を送る若い女性の姿を描いています。
意志の強そうな眼差しが印象的です。

《雷神図屏風》「伊年」印 江戸時代
雷神図は琳派によって多数描かれていますが、
こちらの作品は著名なほかの画家の描いた作品と比較すると
野趣に満ちた感じがします。
雷神の表情は荒々しさと同時に愛嬌もあって、
恐ろしさよりも親しみやすさを私は感じます。

《大空武左衛門像》渡辺崋山 1827
写実的なタッチの等身大で描かれた肖像画です。
大空武左衛門は肥後出身の力士で、
身長227cm 体重131kgであったと伝えられています。
展示室には等身大のシルエットと手形が掲げられて、
実際の武左衛門の大きさが体感できるようになっていました。

《地獄大夫図》河鍋暁斎 明治時代
地獄大夫は室町時代の遊女で、山賊にかどわかされて遊女に売られました。
彼女は現世の苦しみは前世の報いとして自ら「地獄」を名乗り、
地獄絵図を描いた打掛を愛用したといわれています。
暁斎描く地獄大夫も極彩色の打掛を身に着けていますが、
彼女の打掛や帯には七福神が描かれ、
閻魔王こそいるもののその表情は恐ろしげではなく、
地獄の責め苦は一切描かれていません。
これは「地獄に仏あり」とも、「諸行無常」ともとることができ、
一つの作品を様々な視点から見る楽しみを与えてくれます。

花鳥風月
動物や植物を描いた作品群です。

《南瓜図》伝没倫紹等 賛 室町時代
ある意味この展覧会で最もインパクトのあった作品です。
南瓜に縄をかけて大勢で引く虫達(蟻かバッタ?)を描いています。
漫画的でユーモアあふれる表現は現代作品といっても頷けそうです。

《龍虎図屏風》雪村周継 室町時代
うねるような龍としなやかな虎の姿が躍動感ある作品です。
迫力よりも伸びやかさや虎の可愛らしさを感じます。

物語世界
日本美術において物語世界というのは重要なジャンルとなっています。
この展覧会では「伊勢物語」を描いた作品が展示されています。

《伊勢物語図色紙 住吉の浜》俵屋宗達 江戸時代
「伊勢物語」第68段「住吉の浜」の場面を描いています。
住吉を描く場合にはシンボルともいえる太鼓橋を描くのが通例ですが、
この作品には橋ではなく社殿が描かれています。

《燕子花図屏風》渡辺始興 江戸時代
有名な「東下り」(第9段)に登場する八橋を描いたものです。
橋や川の流れは一切描かず、金彩と燕子花のみで八橋を象徴的に表しています。

近代西洋の人と自然
特別出品としてモリゾ、モネ、ピカソ、ルソーの作品が展示されていました。

山水
名所や胸中の理想風景を描いた山水画の展示。
山水画は中国に起こり、日本に伝わります。
日本においても当初は中国の理想の山水を描いていましたが、
やがて日本独自の山水画を生み出すこととなります。
ここでは室町時代から江戸後期にかけての山水画とともに
中国で描かれた山水画も紹介されていました。

この展覧会は展示作品数はそれほど多くはなかったのですが、
どの作品も大変興味深い内容のものでじっくりと見ることができました。
これまで自分が知らなかった作品が多かったので、
新たな美の発見ができて楽しかったです。

本日猫の日

2月22日は(ニャン・ニャン・ニャン)との語呂合わせで「猫の日」となっています。

実物の猫という動物はもちろん美しく愛らしい動物ですが、
美術作品に表された猫たちも素敵なものです。

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《牡丹猫図》
根津美術館所蔵の作品を用いたクリーニングクロスです。
(もちろん実用ではなく観賞用として購入)
長くしなやかなしっぽ、丸みのある背中、ピンと立った耳
いたずらな雰囲気の目、ちんまりと香箱を組んだ姿勢、
猫の愛らしい魅力が的確に描かれた作品だと思います。
(残念ながら私が根津美術館へ行ったときには展示されていませんでした。)

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上から竹内栖鳳 《班猫》 山種美術館
小林古径 《猫》 山種美術館
熊谷守一 《白猫》 豊島区立熊谷守一美術館

上の三点のポストカードは山種美術館で購入したものです。

《班猫》は私にとって「一度は実物を見てみたい絵画作品」なのですが、
まだ実物を見る機会に恵まれていません。
実際の作品はさぞ美しいのだろうと想像しています。

古径の《猫》はリアルタッチの《班猫》とはまた違う様式化された美しさが魅力的です。
高貴ささえたたえた表情はエジプトの女神を思わせます。

熊谷守一のシンプルな線と面で描かれた《白猫》の眠る表情を見ていると
とても心癒されます。

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上から《たま》
《親子猫》
《猫》 いずれも朝倉彫塑館所蔵

朝倉文夫は猫をこよなく愛し、猫を題材にした作品を数多く残しています。
しっぽをピンとあげ、小首をかしげてこちらを見つめる《たま》は
思わず撫でてやりたくなる愛らしさです。

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大の猫好きであった歌川国芳の代表作《猫飼好五十三疋》をモチーフにしたハンカチ、手拭です。
《猫飼好五十三疋》は「東海道五十三次」をもじって
53の宿場を駄洒落で猫を用いて表現しています。

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こちらも国芳の猫をモチーフにしたチャームです。
国芳の猫は動物の「猫」として描かれたものも擬人化されたものもどちらも魅力的です。

これらはすべて今回東京へ行ったときに買ってきたものです。
美術関連以外にも谷中の猫グッズ専門店で猫グッズを買い込みました。

Kawaii日本美術

Kawaii日本美術 ―若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで― 1月3日~3月2日 山種美術館

「Kawaii(かわいい)」は日本文化を代表する美意識として今や国際的に広まっています。
この展覧会では江戸時代から現代にいたる「Kawaii」ものたちを美術作品を通して紹介しています。

第1章 描かれた子供 ―人物の中のKawaii

伝 長沢芦雪 《唐子遊び図》
個人的には唐子には不気味さを感じてあまり好きではないのですが、
芦雪の唐子は本当に生きた子供らしい可愛らしさを感じます。
以前に芦雪の唐子を見たときに、
初めてかわいい唐子を見たと感じました。

柴田是真 《山姥と金太郎図》
金太郎だけではなくユーモラスな雰囲気の山姥にも可愛らしさを感じました。

川端龍子 《百子図》
戦後インドから象がやってきて喜ぶ子供たちの姿が生き生きと描かれていて
見るからに「かわいい」作品だと思います。

関山御鳥 《琉球子女図》
色鮮やかな琉装の少女たちの姿。
あどけなさの残る降ろした髪の少女に対し、
髪を結い上げた少女には大人への一歩を歩み始め
「かわいい」だけの時代を卒業しようとしている趣を感じます。


第2章 生き物大集合 -動物の中のKawaii

伊藤若冲 《樹花鳥獣図屏風》
江戸時代の作品とは思えないようなモダンで斬新なデザイン。
(デジタル的ともいえます)
個性的な動物たちはとても「かわいく」魅力的です。

川合玉堂 《猫》
耳をピンと立て、前足(私は手と言ってしまうのですが)をちょっと前に出し
いたずらっ子のような眼差しの猫は一言で言って「かわいい」です。
この作品のポストカードが欲しかったのですがなかったので大変残念です。

奥村土牛 《兎》
白黒の兎の丸いフォルムと一輪の雛罌粟が実に愛らしいです。

竹内栖鳳 《みヽづく》
みみずくのふわふわとしたかわいさがラフなタッチで表されていて
とても味わい深いです。

山種美術館で竹内栖鳳といえば《班猫》ですが、
この展覧会には展示されていませんでした。
一度実物を見てみたい絵画作品なので残念でしたが、
《班猫》は「Kawaii」というより
"Beautiful" "Elegant" "Noble"という形容詞のほうが似合いそうなので
次の機会を待つことにします。

《雀の小藤太絵巻》
擬人化された雀の姿がユーモラスでかわいい作品です。
出家した雀が頭を丸めていないのに思わず突っ込みたくなりました。

柴田是真《墨林筆哥》
枯葉の琵琶を弾き語るカエルの大将とそれに聞き入るカエルたちが
何とも言えない面白さを醸し出しています。


第3章 小さい・ほのぼの・ユーモラス -Kawaiiってなに?

伊藤若冲《伏見人形図》
若冲の色彩画といえば極彩色の非常に濃い画風を想像しますが
こちらは淡い色合いと柔らかな描線で描かれたほのぼのとして愛らしい作品です。
今まで若冲の色彩画は苦手だったのですが、
これは好きだなと素直に感じました。

川﨑小虎《伝説中将姫》
奈良の当麻寺に伝わる伝説の姫君を描いた作品。
蓮の花咲く黄金の背景は極楽浄土のようで、
白を基調に描かれた姫と侍女たちはすでに浮世の住人ではないように思えます。
これは今の言葉の「かわいい」というよりも
古語の「うつくしき」という言葉のほうがふさわしいと思います。


「かわいい」ものの数々をひたすら愛でるだけでもとても楽しいのですが、
「かわいい」の奥に秘められた面白さ・巧みさ・儚さ・強さ
そういったものを感じ取ることができるようになりたいと思います。

猫チョコレート

毎年この時期になると様々なチョコレートが販売されますが、
私が楽しみにしているのがビアンクールの猫チョコレートです。

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キャッツギャラリーという銘柄の猫型チョコレートがメインのセット。
猫型以外にミルク・スイート・いちごとナッツ入りが入っています。

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こちらは猫のイラストがプリントされたチョコレートと
シンプルなミルク・いちご・スイートとナッツ入りのセットです。

ビアンクールは神戸の洋菓子メーカー、ゴンチャロフの一ブランドで、
猫のデザインやパッケージのチョコレートを作っていて、
毎年この時期楽しみにしています。
地元ではこの時期でないと入手できないのです。

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ウィーンの菓子店デメルのソリッドチョコ 猫ラベル ミルク です。
猫の舌をかたどったチョコレートで、まろやかであっさりとした味わいです。

こちらは先日東京で購入しました。
地元では取り扱いが無いのでずっと憧れていたのです。
(ネット販売はしています)
オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世はデメルの菓子をこよなく愛していたと伝えられています。

本日バレンタインデーのため展覧会感想は小休止して
猫チョコレートコレクションのご紹介をしました。

根津美術館 テーマ展示

根津美術館ではコレクション展と同時開催のテーマ展示も行われています。

小袖の彩り
江戸中期から明治期にかけて作られた小袖の数々。
特に印象に残ったのは《紫地御簾猫桜文様単衣》です。
鮮やかな紫の地に舞い散る花吹雪、
御簾にじゃれ付く三毛猫、
源氏物語の一場面を象徴的に表した典雅な単衣に魅せられました。
(もっとも私がこの単衣に一目ぼれしたのは愛らしい三毛猫に対してというのが本音です)

仏教彫刻の魅力
展示室に日本の木造仏、ホールには中国の石造仏が展示されていました。
特に印象に残ったのは重要文化財《地蔵菩薩立像》です。
平安時代末期、久安3年(1147年)に制作された像で
「お地蔵さん」というと庶民の味方という感じがするのですが、
こちらは非常に高貴な雰囲気で、まさしく「菩薩」と呼ぶのにふさわしい姿です。
穏やかな表情に心惹かれました。

古代中国の青銅器
殷時代から唐時代にかけての中国の青銅器の展示。

百椿図
狩野山楽筆と伝えられる様々な品種の椿を描いた巻物です。
現存しない椿の品種も多数描かれており、
博物学的にも貴重な作品とされています。
以前京都の霊鑑寺や法然院で見かけたような椿も描かれていて、
それらの実物を思い浮かべながら鑑賞しました。
面白いのは椿の花のあしらい方で、
単に枝についた花や花器に活けたものだけではなく、
羽箒や塵取りなど花器以外のものにあしらったものなど、
現代のフラワーアレンジメントの資料としても活用できそうな感じでした。

初釜―来福を願う
新春の初釜の様子を再現をはじめ、
様々な茶道具の展示です。

宝飾時計
18世紀から19世紀にかけてイギリスで制作された宝飾時計が展示されています。

ゆったりとした空間で心静かに過ごす一時を満喫できる美術館だと思います。

和歌を愛でる

コレクション展 和歌を愛でる 1月9日~2月16日 根津美術館

根津美術館館蔵品より和歌にちなんだ名品30件あまりを展示するコレクション展です。

和歌を詠む
飛鳥井雅経、足利義政などが実際に歌を詠み書き付けた懐紙や短冊を展示しています。
私は崩し字は一切読めないのが残念なのですが、
遠い歴史上の人物を身近に感じることのできるものだと思います。

和歌を書写する
古今和歌集、後撰和歌集、和漢朗詠集などに収められた和歌の写本の断簡の展示。
すべて平安時代に書かれたもので、
それらの和歌がその時代すでに古典として愛好されていたことがわかります。

和歌を描く―歌仙絵と歌絵―
常盤山文庫蔵の柿本人麿像など歌人の肖像と和歌の情景を描いた絵画の展示。
他の歌仙像と比較すると人麿像の異質さが際立つように思えます。

ここで一番見ごたえがあったのは《扇面歌意画巻》です。
和歌100首とそれらの歌を連想させる扇面画を100描いたもので、100面すべて展示されていました。
「あし引の 山鳥の尾の しだりをの ながながし夜を ひとりかもねむ」には山鳥の絵、
「田子の浦に うち出でてみれば 白妙の ふじのたかねに 雪はふりつつ」には浜辺から眺める富士山、
「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ」には八つ橋と杜若、
「もののふの 矢並みつくろふ 籠手の上に 霰たばしる 那須の篠原」には扇の的を狙う那須与一、
(私が分かったのはこの4首のみでした)
他にも花鳥風月や日々の情景など様々な和歌の世界が描かれていました。

和歌を描く―名所絵―
《吉野龍田図屏風》
会場内で圧倒的な迫力をもって迫ってきた作品です。
一面に描かれた桜の木は吉野山、対幅に描かれた楓の木は龍田川を表し、
それぞれの枝に春の歌・秋の歌を書き付けた短冊がつるされています。
短冊が翻っている様子など、本当に木につるされているような趣です。
《武蔵野図屏風》
武蔵野の日の入りと月の出がシンプルな構図の元描かれた屏風です。
万葉集の東歌が詠まれたころの武蔵野とはこのようなところだったのかと感じさせられます。

和歌を名づける
和歌にちなんだ銘をつけられた茶碗・茶入の展示です。

和歌を読み取る
一見する単なる装飾ですが、絵や文字で和歌が刻まれた硯箱です。
これらはただ見ても美しいものなのですが、知識があればもっと楽しめるのだろうと思いました。


私と和歌の出会いは小学校高学年の頃の「かるたクラブ」における小倉百人一首に始まります。
もともと歴史好きなこともあり興味は保ち続けていたのですが、
大学生以降は西洋美術(特に世紀末象徴主義芸術)との出会いもあって、和歌とは疎遠になっていました。

ここ1~2年、和歌への興味が徐々に深まってきて、少しずつ本なども読んだりしていますが、
まだまだ付け焼刃の知識しかありません。

今回東京行きを決めたのはラファエル前派展とザ・ビューティフル展の開催によるところが大きいのですが、
それに伴い他に何を見に行こうか考えた時に最初に目に入ったのがこちらの展覧会でした。

千露、東の都へ行く

2月7・8・9の三日間東京へ行ってきました。

和歌を愛でる(根津美術館)
Kawaii日本美術(山種美術館)
大浮世絵展(江戸東京博物館)
ラファエル前派展(六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリー)
クリーブランド美術館展 人間国宝展(東京国立博物館)
ザ・ビューティフル(三菱一号館美術館)
シャヴァンヌ展(Bunkamura ザ・ミュージアム)
葛飾応為「吉原格子先之図」―光と影の美(太田記念美術館)
朝倉彫塑館

以上を見てきました。

記録的な大雪の中でしたが、見たいと思っていたものはすべて見ることができたのでよかったです。

一日遅れの睦月月記2014

昨日で1月も終わりましたが、
せっかくブログ引っ越しをしたにもかかわらず新しい記事をあげることができませんでした。
実のところ世紀末象徴主義関連の記事をあげようと準備はしていたのですが、
結局記事がまとまらずお蔵入りとなっております。

今は旅行計画中なのですが、見たいものを全部見ようとすると相当なハードスケジュールとなるため
どうやって回るか地図とにらみ合いながらルートを検討しております。
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