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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

2018年12月の記事

2018年回顧

至上の印象派展 ビュールレコレクション (国立新美術館)
スイスのコレクター、ビュールレによる印象派を中心としたコレクションの数々の展示。
日本国内でビュールレコレクションがまとまった形で展示されるのは最後となるとのことで、
この機会にじっくりと鑑賞した。
ルノワール《イレーヌ・カーン・ダンベール嬢(可愛いイレーヌ)》は看板作品となっているだけあって、
瑞々しい美しさにあふれていた。

寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽 (サントリー美術館)
江戸時代初期、寛永年間につくられた「雅」な文化を紹介する展示。
「きれい、極まる。」のキャッチコピー通り、「綺麗な」作品が数多く展示されていた。
野々村仁清 《白釉円孔透鉢》のまるで現代アートのようなモダンな造形に驚かされたほか、
実際の着物を押し花のように屏風に貼りつけた《小袖屏風》が最も印象に残った。

プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光 (国立西洋美術館)
フェリペ4世時代を中心とした宮廷コレクションの数々を紹介。
ベラスケス作品が7点出展されていたが、やはり《王太子バルダサール・カルロス騎馬像》に圧倒された。

アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝 (東京国立博物館 表敬館)
古代から20世紀に至るサウジアラビア王国の文化財を展示。
サウジアラビアといえばイスラムの聖地のイメージが強く、それ以前の歴史についてはほとんど知らなかったのだが、
イスラム以前にも豊かな文化が花開いていたことを知ることができた。

仁和寺と御室派のみほとけ ―天平と真言密教の名宝― (東京国立博物館 平成館)
仁和寺と仁和寺を総本山とする全国の御室派の寺院の名宝を集めた展覧会。
国宝・重要文化財も数多く展示されていた。
仁和寺の旧本尊《阿弥陀三尊像》(国宝)は平安時代初期に制作され、和様の先駆けとなった像とされている。
丸顔で穏やかな表情が個人的に好きな仏像である。
葛井寺《千手観音菩薩坐像》(国宝)は天平時代につくられた1001本の手を持つ真の千手観音像で、
1200年以上も完璧な造形のまま残っていることに驚かされた。
また仁和寺観音堂を再現した展示は圧巻だった。

ルドン -秘密の花園 (三菱一号館美術館)
「植物」に焦点を当ててルドンの画業を紹介する展覧会。
ドムシー男爵の城館の食堂装飾画16点の展示は
19世紀の様式で作られた美術館の展示室ともマッチして空間自体を楽しむことができた。
初期に描かれたモノクロの怪奇な花から晩年の豊かな色彩で描かれた幻想的な花まで、
ルドンの描く植物世界を満喫できた。

没後40年 熊谷守一 生きるよろこび (愛媛県美術館)
身近な対象を独自の画風で描いた画家の回顧展。
特に猫を描いた作品はシンプルな線と色彩ながら、猫のしなやかさ柔らかさ量感を的確に表現しており、
見ていて幸せな気持ちになれた。

描かれた「わらい」と「こわい」展 -春画・妖怪画の世界― (細見美術館)
国際日本文化研究センター(日文研)所蔵の春画・妖怪画コレクションの初めての展観。
一見恐ろしい妖怪画の笑える要素が含まれていたり、
思わず笑みがこぼれるような春画など、見ていて楽しい展覧会だった。

没後50年 藤田嗣治展 (京都国立近代美術館)
フランスを中心に活躍し、後年レオナール・フジタとしてフランスに帰化した藤田嗣治の回顧展。
初期から晩年にいたる藤田の軌跡を存分に見ることができた。
個人的に好きなのは美女や画家の横にさりげなく描かれた猫だ。
猫を見るのが楽しみだったといっても過言ではない。
特に《争闘(猫)》は一度実物を見てみたいと思っていた絵画作品の一つで、
猫の伸びやかさ、しなやかさ、瞬発力が的確に描かれていて、とても素晴らしかった。

京のかたな 匠のわざと雅のこころ (京都国立博物館)
京都国立博物館で初となる刀剣の特別展。
タイトル通り山城(京都を中心とした地域)鍛冶1000年の歴史をたどる内容で、
山城鍛冶の作品を中心に国宝・重要文化財も多数展示された。
これまで刀剣については鑑賞の仕方がよくわからなかったのだが、
歴史的背景や、刀剣以外の関連展示なども合わせて見ることによって、
理解できることが増えていくのが面白いと思った。

大名家と婚礼道具 ―資料から伝わる花嫁への想い (宇和島市立伊達博物館)
宇和島伊達家歴代の藩主夫人が輿入れの際に持参した調度や、
伊達家の姫君が他家へ嫁ぐ際に持参した調度などを展示。
丁寧にあつらえられた調度品の数々に大名家の花嫁への想いを感じることができた。

2019年も行きたい展覧会が色々とある。
出来れば一つでも多く行きたいものだ。
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