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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

孔雀の翼


フィリッポ・リッピ 受胎告知(部分)

マリアへ受胎告知する大天使ガブリエルです。
母性の象徴である薔薇の冠を被り、
純潔の象徴である白百合(マドンナリリー)を捧げ持っています。

現在天使の羽の色といえば純白を連想しますが、
リッピ描くガブリエルは孔雀の羽をつけた姿です。

孔雀は春に華麗な羽が生え変わるため「復活」の象徴とされ、
またその肉は腐敗しないと考えられていたため「不死」の象徴ともされました。

ギリシア神話では孔雀はゼウスの正妻ヘラの聖鳥とされ、
孔雀の羽の目玉のような模様は
百の目を持つ怪物アルゴスが退治されたときに
その目を羽にはめ込んだものという伝説があります。

最上位の天使である熾天使(セラフィム)は無数の目を持つとされており、
たくさんの目がはめ込まれたような孔雀の羽が
セラフィムの持つ力の象徴と考えられ、
位階の低い天使にもその影響が見られるようになったと考えられます。

リッピの作品の孔雀の羽はあまり色鮮やかに描かれていませんが、
実際の孔雀の羽をつけた天使が存在するとすれば
さぞ壮麗な姿であろうと思われます。
ルネサンスという時代にふさわしい存在であるといえましょう。
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