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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

Saint Sebastian vol.6


グイド・レーニ 聖セバスティアヌス 1615-16

その絵を見た刹那、私の全存在は、或る異教的な歓喜に押しゆるがされた。私の血液は奔騰し、私の器官は憤怒の色をたたえた。
三島由紀夫 『仮面の告白』より

上の絵は『仮面の告白』の主人公が魅惑され、その虜となってしまったセバスティアヌス像です。

2本の矢が彼の体に刺さってはいますが、
天を仰ぐ穏やかな表情や薔薇色の頬からは苦痛に耐えるという姿を見出すことは困難です。
少年の初々しさと青年の凛々しさを併せ持つこのセバスティアヌスからは
どこか危うい魅力が漂っています。

17世紀イタリア・バロックの画家グイド・レーニは優美な女性像を数多く描いていますが、
彼はまたセバスティアヌス像も幾度となく描いています。



上の作品のヴァリアントですが、
こちらに描かれたセバスティアヌスはやや幼い印象を受けます。
豊かな巻毛が愛らしい美少年といった雰囲気を強調するようです。



レーニはこのポーズのセバスティアヌス像を何点も描いています。
暗い風景から浮かび上がる後手に縛られた裸身は実に官能的です。

ルネサンス後期のソドマによって聖性と官能性を併せ持つセバスティアヌス像が完成されたといえますが、
レーニのセバスティアヌスは更に倒錯的な魅力を持つに至ったといえるでしょう。
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