FC2ブログ

Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

麗しのロザムンド


ウォーターハウス 麗しのロザムンド 1916

「麗しのロザムンド」ことロザムンド・クリフォードは
12世紀のイングランド王ヘンリー2世の愛妾です。
ヘンリー2世は王妃の嫉妬からロザムンドを守るために
彼女を周囲に迷路をめぐらせた館に住まわせていたと伝えられています。
しかし王妃は絹糸を使って上手く迷路を通り抜け、
ロザムンドに命を絶つよう命じます。

『麗しのロザムンド』はウォーターハウス最晩年の作品の一つです。
背後に迫る王妃の存在に気づくことなく、
窓の外を眺め王の訪れを待つロザムンドが描かれています。
窓辺に絡みつく薔薇の花は王妃を怒らせた危険な愛を象徴します。

王妃は画中ではあまり美しく描かれていませんが、
実際のヘンリー2世の王妃アリエノール・ダキテーヌは美しく生命力に満ちた女性で、
ヘンリー2世よりも10歳年上であったにもかかわらず彼を魅了し多くの子女をもうけました。
彼女の子孫は多くのヨーロッパ王家の祖となっています。


ロセッティ 麗しのロザムンド 1861

ロセッティはロザムンドを「世界の薔薇(ロサ・ムンディ)」にふさわしく
大輪の薔薇に見立てて描きました。
ロザムンドは薔薇の枝を手にしていますが、
枝に花が付いていないのは彼女自身が薔薇であるからです。
薔薇の柄の衣裳、薔薇の髪飾りをはじめ
手摺の金具の意匠まで薔薇模様になっています。
薔薇の枝に結びついた赤い糸は道しるべのためのもので、
彼女は王の訪れを待っているところです。
この作品は愛と官能の象徴としての「薔薇」のイメージそのものといえます。
スポンサーサイト