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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

六月の花嫁 vol.3 神秘の結婚


サッソフェラート 聖カタリナの神秘の結婚


「結婚」を題材にしたキリスト教絵画でまず思い浮かぶのが
『聖カタリナの神秘の結婚』です。

アレクサンドリアの王女カタリナは美貌と博識をもって名高い女性でした。
彼女は砂漠の隠者によってキリストの花嫁に迎えられると告知されます。
しかしそのとき洗礼を受けていなかった彼女はキリストに拒まれます。
カタリナはその後洗礼を受けて心の平安を得ることなり、
キリストと神秘の結婚をします。

上の図はバロック期のイタリアの画家サッソフェラートによるもので
幼児のキリストがカタリナに結婚指輪を授けています。
カタリナは王女であるため王冠を被り、豪華な身なりで表されます。

 

(左)パルミジャニーノ
(右)コレッジョ


パルミジャニーノの作品で左手前にいるのは聖ヨセフです。
幼子キリストはカタリナに指輪をはめていますが、
その視線は母マリアのほうへ向けられ、
マリアも鑑賞者(礼拝者)に背を向ける形になっています。
典型的マニエリスムの画家パルミジャニーノにふさわしい奇抜な構図だと思います。

コレッジョの作品は複数の聖人が登場する「聖会話」の形式がとられています。
聖母子の後ろにいるのはマリアの母アンナで、
カタリナの後ろにいるのは手の聖痕から聖フランチェスコと分かります。
右側の百合を手にしたドミニコ会士は誰なのか分かりませんでした。
パルミジャニーノの作品とは対照的な雰囲気の荘厳な礼拝図となっています。

カタリナは時のローマ皇帝に見初められ求婚されますが、
キリストの花嫁たることを誓った彼女は異教徒である皇帝との結婚を拒みます。
皇帝は100人の博士をカタリナのもとへ遣わし議論させ
彼女の信仰を打ち破ろうとしますが、
逆に博士たちが論破されキリスト教に帰依することとなりました。

怒った皇帝はカタリナを刺のある車輪に縛りつけ車裂きにかけますが、
天使が現れ車輪を粉砕してしまいます。
最後には彼女は斬首され殉教します。

聖カタリナは教育・学問の守護聖人として篤く信仰されましたが、
現在では彼女は実在の人物ではなかったとする説が一般的となっています。






(上)エルミタージュ美術館蔵
(下)国立西洋美術館蔵


ともにヴェロネーゼの作品です。
幼子イエスとカタリナのしぐさや表情が細やかな愛情に満ちていて
まさに「花嫁」と「花婿」という感じがします。
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