トゥールーズ=ロートレック展
三菱一号館美術館コレクション トゥールーズ=ロートレック展
10月13日~12月25日 三菱一号館美術館
三菱一号館美術館は1894年にジョサイア・コンドル設計で丸の内に建てられた「三菱一号館」を復元した建物で、
19世紀当時の意匠や建築技術を忠実に再現しています。
展示室の他カフェやショップ、歴史資料室を備えています。
今回の展覧会では三菱一号館美術館所蔵のロートレックによるポスター、リトグラフの他
試し刷り、晩餐会のメニューなども展示されています。
第1章 トゥールーズ=ロートレック家の故郷・南西フランスと画家揺籃の地アルビ
こちらではフランス・アルビ市のトゥールーズ=ロートレック美術館所蔵の家族・友人の肖像画や
ロートレックの故郷である南西フランスを描いた風景画、初期の習作などが紹介されていました。
第2章 世紀末パリとモンマルトルの前衛芸術
ムーラン・ルージュを初めとする19世紀末パリの歓楽街の踊り子や歌手を描いた作品や
ミュージックホールや芝居の広告ポスターなど
「ロートレック」といえばまず思い浮かべるような作品群が展示されています。
第3章 芸術家の人生
雑誌や芝居のポスター、友人らの肖像、娼婦たちの日常を描いた『彼女たち』連作の他、
動物やサーカスのデッサン、晩餐会のメニューなど
画家の人生を垣間見ることの出来る作品が展示されています。
以下は印象に残った作品です。
(注:こちらで挙げた画像は展覧会に出展されていたものとは異なります)

モデルとなったアリスティド・ブリュアンは19世紀末パリの人気歌手・詩人で
ロートレックに数々のポスターを依頼した人物でした。
量感豊かな黒い背中とそれを引き締める赤いスカーフが印象的です。

ポスター作家としてのロートレックの人気を決定付けた作品です。
踊っているのは当時売れっ子だったラ・グリュで、
肉感的な彼女の激しい踊りは人気を博していました。
前景のシルエットの男性は骨無しバランタンと呼ばれたダンサーです。
豊満なラ・グリュとのコンビで人気を博しました。

ジャヌ・アヴリルはロートレックお気に入りのモデルとなった踊り子で、
ラ・グリュとは対照的な細身で可憐な印象の女性でした。
彼女は当時の踊り子としては珍しく教養豊かで詩人や文学者との交流も好んでいたそうです。

こちらでジャヌ・アヴリルが着ている衣裳はとても斬新なデザインで
現在のパリコレなどで発表されたものといっても違和感が無さそうです。

キャバレー「ディヴァン・ジャポネ」の広告ポスターで、
中央の黒いドレスの女性はジャヌ・アヴリルです。
売れっ子の踊り子だった彼女をモデルにすることで、
「スターもやって来る店」という印象を持たせる効果を出そうとしたといわれています。

英国出身の歌手メイ・ベルフォールを描いたポスターです。
当時のパリでは多くの英国人歌手・俳優が活動していました。
メイ・ベルフォールは大きなリボンのついたボンネット、フリルたっぷりのドレスという姿で
自分の飼っている黒猫を抱いて舌足らずな声で歌っていたといいます。
現代日本に彼女のような歌手がいたらロリータ少女たちのカリスマと呼ばれそうだと思いました。

リトグラフ集『彼女たち』より『行水の女―たらい』です。
『彼女たち』は娼婦たちの日常を淡々とした筆致で描いたものですが、
娼婦の姿をエロティックに描いたものを期待していた向きには不評だったようです。
これまでロートレックの作品を系統だって見たことは無かったので
この機会にじっくりと見ることが出来て本当に良かったと思います。
彼のデッサンの的確さや、一見美しくないけれど愛情をこめて描かれた人物の表情など
ロートレック作品の魅力を堪能することが出来ました。
10月13日~12月25日 三菱一号館美術館
三菱一号館美術館は1894年にジョサイア・コンドル設計で丸の内に建てられた「三菱一号館」を復元した建物で、
19世紀当時の意匠や建築技術を忠実に再現しています。
展示室の他カフェやショップ、歴史資料室を備えています。
今回の展覧会では三菱一号館美術館所蔵のロートレックによるポスター、リトグラフの他
試し刷り、晩餐会のメニューなども展示されています。
第1章 トゥールーズ=ロートレック家の故郷・南西フランスと画家揺籃の地アルビ
こちらではフランス・アルビ市のトゥールーズ=ロートレック美術館所蔵の家族・友人の肖像画や
ロートレックの故郷である南西フランスを描いた風景画、初期の習作などが紹介されていました。
第2章 世紀末パリとモンマルトルの前衛芸術
ムーラン・ルージュを初めとする19世紀末パリの歓楽街の踊り子や歌手を描いた作品や
ミュージックホールや芝居の広告ポスターなど
「ロートレック」といえばまず思い浮かべるような作品群が展示されています。
第3章 芸術家の人生
雑誌や芝居のポスター、友人らの肖像、娼婦たちの日常を描いた『彼女たち』連作の他、
動物やサーカスのデッサン、晩餐会のメニューなど
画家の人生を垣間見ることの出来る作品が展示されています。
以下は印象に残った作品です。
(注:こちらで挙げた画像は展覧会に出展されていたものとは異なります)

モデルとなったアリスティド・ブリュアンは19世紀末パリの人気歌手・詩人で
ロートレックに数々のポスターを依頼した人物でした。
量感豊かな黒い背中とそれを引き締める赤いスカーフが印象的です。

ポスター作家としてのロートレックの人気を決定付けた作品です。
踊っているのは当時売れっ子だったラ・グリュで、
肉感的な彼女の激しい踊りは人気を博していました。
前景のシルエットの男性は骨無しバランタンと呼ばれたダンサーです。
豊満なラ・グリュとのコンビで人気を博しました。

ジャヌ・アヴリルはロートレックお気に入りのモデルとなった踊り子で、
ラ・グリュとは対照的な細身で可憐な印象の女性でした。
彼女は当時の踊り子としては珍しく教養豊かで詩人や文学者との交流も好んでいたそうです。

こちらでジャヌ・アヴリルが着ている衣裳はとても斬新なデザインで
現在のパリコレなどで発表されたものといっても違和感が無さそうです。

キャバレー「ディヴァン・ジャポネ」の広告ポスターで、
中央の黒いドレスの女性はジャヌ・アヴリルです。
売れっ子の踊り子だった彼女をモデルにすることで、
「スターもやって来る店」という印象を持たせる効果を出そうとしたといわれています。

英国出身の歌手メイ・ベルフォールを描いたポスターです。
当時のパリでは多くの英国人歌手・俳優が活動していました。
メイ・ベルフォールは大きなリボンのついたボンネット、フリルたっぷりのドレスという姿で
自分の飼っている黒猫を抱いて舌足らずな声で歌っていたといいます。
現代日本に彼女のような歌手がいたらロリータ少女たちのカリスマと呼ばれそうだと思いました。

リトグラフ集『彼女たち』より『行水の女―たらい』です。
『彼女たち』は娼婦たちの日常を淡々とした筆致で描いたものですが、
娼婦の姿をエロティックに描いたものを期待していた向きには不評だったようです。
これまでロートレックの作品を系統だって見たことは無かったので
この機会にじっくりと見ることが出来て本当に良かったと思います。
彼のデッサンの的確さや、一見美しくないけれど愛情をこめて描かれた人物の表情など
ロートレック作品の魅力を堪能することが出来ました。
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