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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

Esperanza―希望のかたち

“esperanza”とはスペイン語で「希望」を意味します。
私はスペイン語に関しては全く素人なのですが、
その言葉の意味合いと響きの美しさが大好きな単語です。

本日は象徴主義の画家たちの描いた「希望」をご紹介します。




『希望』と聞いてまず思い浮かべるのが、ワッツによるこの作品です。
必死で一弦の糸だけ残った竪琴から発せられるかすかな音色を聞き取ろうとしている彼女の姿は
「絶望」の中から必死で「希望」を見出そうとしているように見えます。






ピュヴィス・ド・シャヴァンヌは寓意的な内容の大型装飾画を得意とした画家ですが、
この2点の『希望』は比較的小さな作品です。
このふたつの『希望』は
画家自身の心象風景としての「希望」ではなく、
「希望」という一般的な概念を描き出そうとしたものです。
2点とも荒涼たる風景の中に小枝を持って座る女性が描かれていますが、
裸体の女性のほうが穏やかな表情をしているのに対し、
着衣の女性のほうはやや固い表情をしています。
もしかするとこのわずかな違いに画家の意図するものが隠れているのかもしれません。






クリムトは「希望」を身重の女性の姿で描いています。
『希望 I』のほうでは彼女の周りを髑髏や歪んだ顔が取り囲んでいます。
そんな中で彼女が身篭ったのは、彼女自身の「希望」だったのでしょうか?
『希望 II』では穏やかな雰囲気の中、祈るような表情の女性たちに取り囲まれています。
彼女が孕んでいるのはみんなの「希望」であるように感じます。




バーン=ジョーンズの『希望』は
彼女自身が「希望」であるというよりも、
彼女が「希望」を求めているように思えます。


パンドラの箱に「希望」が残っていたからこそ
人は憂き世を生きてゆくことができるのかもしれません。
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