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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

音楽のある情景~聖カエキリア 芸術の秋vol.3


ウォーターハウス 聖カエキリア


イタリア語読みの「聖チェチリア」として一般的に知られる彼女は
音楽の守護聖女とされていて、
ローマにある国立の音楽学校も彼女の名前を冠しています。

カエキリアはローマの貴族の娘で、
生涯純潔を守ることを神に誓っていました。
彼女は結婚するに当たり婚約者に対してその誓願を守ることを求めましたが、
婚約者はそれならば彼女の守護天使を見せて欲しいと言います。
すると二人の天使が現れ、
カエキリアに百合の冠を、婚約者に薔薇の冠を与えます。
婚約者もキリスト教徒となり、二人は結婚しますが、
この時代キリスト教は禁制であり、
捕らえられたカエキリアと夫は殉教します。

一般に聖人の姿を描く場合、殉教の様子が描かれることが多いのですが、
彼女の場合それは稀で、専ら楽器を手にした音楽の守護聖女として描かれます。
カエキリアが音楽の守護聖女とされたのは
彼女の結婚の当日無数の音楽が彼女を見送ったためとされています。
またオルガンを発明したのも彼女とされており、
魂を神を讃える和声で満たすために作ったといわれています。

カエキリアは様々な楽器を奏でる姿で表されます。
特にバロック期のイタリアの画家は好んで彼女を描いています。


プッサン 聖カエキリア

クラブサンかヴァージナルのような鍵盤楽器に向かう聖女と
楽譜を捧げ持つ天使(プットー)、合唱する天使が描かれています。
一般に彼女は鍵盤楽器に向かう姿が多く描かれています。
なんだか幼稚園の先生と子供たちのようで、ほほえましいです。


Carlo Saraceni 聖カエキリアと天使

17世紀イタリアの画家による作品です。
カエキリアはリュートを弾き、 少年の姿の天使はヴィオラ・ダ・ガンバを手にしています。
聖女と天使による二重奏が聞こえてきそうです。


ドメニキーノ 聖カエキリア

ヴィオラ・ダ・ガンバを弾く聖女と楽譜を捧げ持つ天使です。
楽譜よりも神からの霊感を頼りに演奏しているようです。


グイド・レーニ 聖カエキリア

ヴィオロン(バイオリンの前身)のような小型の弦楽器を弾いています。
一切余計な道具立てがないことによって、
純粋に神からの霊感を受け取る姿を表現できているように見えます。
ターバンをした姿が、同じくレーニによる『ベアトリーチェ・チェンチ』を連想させます。


カルロ・ドルチ 聖カエキリア

オルガンに向かう聖女の気品ある横顔に心惹かれる作品です。
添えられた百合の花は彼女の純潔を象徴します。


モロー 聖カエキリア

楽器を奏でる女性と、音楽に聞き入るサテュロスたちが描かれています。
一説によればこの作品はカエキリアを描いたものではなく、
モローが多く描いた『詩人とサテュロス』の一バージョンではないかとも言われています。


ストラドウィック 聖カエキリア

ラファエル前派の画家ストラドウィックは中世風の奏楽の人物を数多く描いています。
オルガンを弾くカエキリアとそれに耳を傾ける天使が
夢見るような風情で描かれています。
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