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Windflowers

美術・猫・本など興味ある事柄や日々の徒然を綴るブログです。

ナルキッソス―水仙の示すもの


ウォーターハウス エコーとナルキッソス


昨日家族で車で約1時間半かかるところへ
菜の花を見に行ったのですが、
菜の花だけではなく、スイセンもたくさん咲いていました。

「スイセン」といって西洋絵画でまず思い浮かべるのは
ナルキッソスの物語です。
こちらにて物語の概要を紹介しております。

スイセンの学名はこの美少年ナルキッソスにちなみNarcissusですが、
もう一つギリシア語で「麻酔」や「昏睡」を意味する“narce”を語源とするという説もあります。
(この“narce”は睡眠障害の一種「ナルコレプシー」の語源ともなっています。)
スイセンは芳香の高い花ですが、
その香りには麻痺の効果があると信じられていたのです。
実際スイセンの球根には体を麻痺させて死に至らしめることもある
有毒物質「ナルシン」が含まれています。
また葉にも有毒な「リコリン」が含まれ、
外見のよく似たニラと誤食し中毒に至るケースがあります。

またスイセンの中でも特にラッパズイセンの類を
ギリシアの黄泉に咲く花Asphodel(アスフォデル)にちなみ
英語ではDaffodilと呼びます。

これらの語源からヨーロッパにおけるスイセンは「死を匂わせる花」というイメージが感じ取れますが、
中国では降り積もった雪の中に花を咲かせるスイセンを縁起の良い花と考えています。
古くから水盤で水栽培が行われ、正月に咲かせた花に生命の躍動と希望を託しました。

凍てつく寒さに負けず香り高く咲き誇る生命力と
眠りと死をもたらす猛毒を併せ持つ「スイセン」という花から
どこか“famme fatale”的な魅力を私は感じます。
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